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労災上乗せ保険のかしこい入り方

  • 執筆者の写真: office138
    office138
  • 2021年1月22日
  • 読了時間: 2分

更新日:2021年1月25日


精神疾患の労務トラブル
労災上乗せ保険のかしこい入り方


Q:当社は建設業です。売上高が減少したことでコスト削減が急務です。元請との取引条件より労災上乗せ保険は加入義務があります。労災上乗せ保険を見直すことでコスト削減を図りたいのですが?


A:大きな(会社倒産につながる)リスクは補償を残し、小さな(自己資金で対応できる)リスクに対して削減を検討するとよいでしょう。

(1)そもそも労災上乗せ保険は、なぜ必要なのか

 国の労災保険があるのに、そもそも労災上乗せ保険なんて必要なの?そう考えている方がいるかもしれません。結論から申し上げると国の労災保険では不足なので労災上乗せ保険は必要です。皆さんは、自賠責保険があるのになぜ任意の自動車保険に加入しているのですか?そうです、自賠責保険では不足なので任意の自動車保険に加入しているのです。

※30歳男性(年収600万円)が事故に遭い、寝たきりの後遺障害1級になった場合の例

※賠償金額から免責となる国の労災保険からの給付確定額を3年分(772万円)と裁判所が認めた場合

※国の労災保険の給付額の計算は、30歳、年収600万円、妻32歳、子2人(8歳、3歳)と仮定して試算


 こちらが加害者になってしまい上記の30歳男性を後遺障害1級にしてしまった場合、2億3,678万円の賠償金額が発生します(会社過失100%)。

 内訳は、慰謝料で2,800万円、介護費用で7,578万円、逸失利益で1億3,300万円です。この人が死亡したり後遺障害になったりした場合の計算方法は、自動車事故であろうが、労災事故であろうが、全く同じです。自動車保険(対人無制限)に加入していれば不足額の2億2,906万円は保険が補填してくれます。


 労災事故の場合も、自動車保険同様に強制保険だけでは全く不足なのです。よって、労災上乗せ保険(使用者賠償保険含む)によって不足分を補っているのです。



(2)では、無駄なコストをかけず保険に加入するにはどうする?

 結論からお伝えすると、大きな(会社倒産につながる)リスクは保険でカバーし、小さなリスクは保険をかけずに自己資金で対応することです。

 上記の「リスク大」を保険でカバーできるよう保険を設計し、「リスク小」は自己資金で対応できるよう検討しましょう。詳しくは、プロ代理店などの専門家に相談しながら進めるのがよいでしょう。

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